プログラム


- 教育講演1※ -

「消化器がん検診としての大腸内視鏡検診を考える」
講師: 鈴木 康元(松島クリニック)
司会: 村田 聡(ムラタ胃腸内視鏡クリニック)

- 教育講演2※ -

「消化器がん検診としての大腸CT検診を考える」
講師: 永田 浩一(福島県立医大)
司会: 山口 和也(ちば県民保健予防財団)

 大腸がん検診における精検法として、大腸CT(CT colonography)検査のエビデンスが日本から2研究(Am J Gastroenterol 2017;112:163-171.および Radiology 2017;282:399-407.)公表された。これにより日本の大腸内視鏡検査技術と同様に、大腸CT検査が便潜血陽性者や有症状者に対して精度高く精検が実施できることが証明された。エビデンスの構築を受け、日本消化器がん検診学会では委員会報告として、大腸CT検査は精検方法(診断法)としての十分な精度が示されており、偶発症は少なく、被ばく量は注腸X線検査より低いとされるため、「精密検査を全大腸内視鏡検査で行うことが困難な場合は、大腸CT検査あるいは、S状結腸内視鏡検査と注腸X線検査の併用法のいずれかを実施する。」という提言を出した。さらに、大腸CT検査の偶発症および腸管前処置に関する全国調査(Euro Radiol 2017; 27: 4970-4978.および日消がん検診誌. 2018; 56: 498-507.)が学会主導で実施された。本調査から、日本でも大腸CT検査が広く実施されていることが判明し、大腸CT検査がエビデンスに基づいた正しい方法で精度高く実施されるため検査の標準化の必要性が明確となった。こうした流れを受けて日本消化器がん検診学会から大腸CT検査技師認定制度がちょうど始まったところである。本認定制度の活用の要点、そして最新の科学的根拠に基づいた適正な方法という意味での標準化について会場の皆さんと考えてみたい。


- 教育講演3※ -

「上部消化管内視鏡検診の見逃しのない観察・撮影法とは」
講師: 成澤 林太郎(新潟県立がんセンター新潟病院)
司会: 赤松 泰次(長野県立信州医療センター)

- 放射線研修委員会 教育講演 -

「トピックスレクチャー」
講師: 小田 丈二(東京都がん検診センター)
司会: 見本 真一(神奈川県予防医学協会)

- 超音波研修委員会 教育講演 -

講師: 松本 直樹(日本大学医学部 消化器肝臓内科)
司会: 永井 悟(湘南藤沢徳洲会病院)

知っておくべき比較的稀な肝疾患の超音波像
  日本大学医学部消化器肝臓内科
  松本 直樹

 検診での腹部超音波検査にあたり、良く遭遇する高頻度の疾患を熟知する必要があることは言を俟たない。頻度が低い疾患については、腹部超音波検診判定マニュアルに則ってカテゴリー分類を行えば多くの場合は業務としては問題が無いことが多い。しかし医療連携の面から診療情報により多くの情報を盛り込んだ方が良いし、血管異常のようにカテゴリーに分類しきれない疾患もある。
 本講演では日常に経験する可能性のありそうな稀な肝疾患について解説する。


- 保健衛生委員会シンポジウム※ -

「より良い消化器がん検診を目指して これまでの取り組みと今後の課題
-受診率向上、事後フォロー、精度管理、安全対策-」
司会: 小川 敬子(実践女子大学)
  浦島 有希(横浜市立市民病院)
コメンテーター: 小田 丈二(東京都がん検診センター)
シンポジスト: 1.塩野 まゆみ(前橋市 健康部 健康増進課)
  2.遠藤 弥生(東日本旅客鉄道株式会社 高崎鉄道健診センター)
  3.中林 千晶(群馬県健康福祉部保健予防課 がん対策推進室)
  4.馬上 典子(医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ 内視鏡検査科)
  5.山崎 恭子(帝京大学 医療技術学部看護学科)
  6.丹羽 咲弓(東京都保健医療公社 東京都がん検診センター)
  7.浦島 有希(横浜市立市民病院 がん検診センター)

- パネルディスカッション1※(指定) -

「これからの胃がん内視鏡検診を考える」
司会: 齋藤 洋子(茨城県メディカルセンター)
  中島 寛隆(早期胃癌検診協会)

 対策型胃がん検診においては、死亡率減少効果が科学的に認められているX線による胃がん検診に加えて、2016年より内視鏡検診も検診方法として推奨された。対がん協会による全国市町村調査では、2016年時点において内視鏡検診が導入できているのは1/4の市町村であった。その中で、内視鏡検診が実施できない理由として6割の市町村は「精度管理が整わない」ことをあげている。対策型がん検診では、高い受診率の元に有効性の確立した手法を用いた検診を正しく行うことで死亡率減少効果が期待されるが、検診を正しく行うためには精度管理の体制整備が基本となる。そのためには、地元医師会が中心となって、行政、中核病院、内視鏡専門医らと連携して推し進める以外に方法はない。
 検診内視鏡検査と診療内視鏡検査において、双方の施行医に対し、正しい技術と診断能力が求められることはいうまでもないが、診療内視鏡検査の現場においては、実際には施行医の技量、診断能が全て裁量として検査医に委ねられ、精度管理から外れている現実がある。対策型胃内視鏡検診は、対象とする集団に対し胃癌死亡減少を目的とした公共的な施策として実施されるので、地域住民に不利益がないように、内視鏡検診一次医療機関における診断能の均一化が求められる。この作業がいうまでもなく精度管理体制の構築に他ならず、実はこの作業を通じ、地域の内視鏡検査レベルの底上げにも繋がることもしられている。
 今回、現在内視鏡検診を実施している自治体の医師会に依頼し、全て指定演題になるが、「これからの胃がん内視鏡検診を考える」をテーマとして、胃がん内視鏡検診の現状の問題点と課題、その解決策を中心に討論できればと考えている。

伊勢崎佐波医師会と検診センターにおける胃内視鏡検診の現状と今後の課題
  伊勢崎佐波医師会付属成人病検診センター診療所
  〇吉田 はるか
  伊勢崎佐波医師会病院
  澁澤 公行
  伊勢崎佐波医師会
  小暮 道夫、山田 俊彦、大澤 誠

【目的と方法】
 伊勢崎佐波医師会では, 伊勢崎市と玉村町の事業所と40歳以上の住民に対し胃内視鏡検診を行っている。当医師会と検診センターにおける胃内視鏡検診の近年の結果を集計し, 今後の課題を検討する。
【結果】
 平成27年度から30年度までの4年間で, 当医師会における胃内視鏡検診は増加傾向にあり, 平成30年度受診者は12,351名であった。当検診センターも毎年受診者が増加し, 平成30年度には4,728名に及んだ。生検率は7.1%であり、胃癌が3名, 胃癌疑いが3名であった。このうち4名は前年度受診歴があり, 1名は前年度に指摘できる可能性が疑われた。
【結語】
 今後さらなる胃内視鏡検診の普及にあたり, 受診者の選別, 撮影方法の統一化, ダブルチェックの徹底や, 画像評価のフィードバックによる技術の均一化が重要と考えられた。

現状の内視鏡検診の問題点とその解決策に向けて
  水戸市医師会
  石田 理

 水戸市では2011年度から内視鏡検診を導入して9年目となる。まだ細かい問題点はあるものの、その運用は順調に進んでいる。2016年2月に厚生労働省から、内視鏡検査が対策型検診として認められたことにより、導入に向けて各自治体が一斉に準備を始めた。内視鏡検診を実施するにあたっては、医師会で読影管理委員会を立ち上げることが必須となっているが、人員の不足などから読影管理委員会を立ち上げることができない医師会がある。それらの自治体からの依頼で、水戸市医師会の読影管理委員会が、複数の自治体の読影を行うようになった。これにより対応地域の広域化とともに仕事量が増加し、水戸市医師会での業務が限界に直面している。
 大学病院がある市や県庁所在地などの都市部では内視鏡検診の導入が進みやすいといわれているが、医師数全国42位と低い地域である茨城県のような医師不足・医療過疎地でいかに効率よく導入可能かを検討したい。

さいたま市の胃がん内視鏡検診10年の歩みと今後の展望―大宮地区のデータをもとに
  大宮医師会胃がん検診委員会
  〇三吉 博、中野 真、三好 和夫

 さいたま市の胃がん検診は2009年にX線単独からX線・内視鏡併用検診に移行して10年が経過した。そこで10年間の我々の取り組みと内視鏡検診の今後について検討した。
 さいたま市大宮地区の胃がん検診の歴史は古く、1972年から集団X線検診を、そして1996年から個別X線検診を開始した。当時より精度管理を重視して、撮影法を含めた厳格なマニュアルを作成・遵守し、また二次読影医2名一組による一次写真の同時ダブルチェックも行っていた。新たに開始した内視鏡検診も同様とし、特に二次読影には医師会内の専門医に加え、地元大学・基幹病院の多くの医師に協力を求めた。また一次読影医は医師会主催の症例検討・内視鏡勉強会への出席を義務として質の維持・向上を図った。10年間で受診者(受診率)は21101人(14.6%)から35425人(22.9%)へ増加、胃がんの発見率も高い水準が維持されたが、近年食道など胃以外のがんも多く発見され、胃がん内視鏡検診は上部消化管がん内視鏡検診へと変貌しつつあること、また受診率を高める為には行政との協力が不可欠であることも強調したい。

高崎市における対策型胃内視鏡検診の精度管理に関する取り組み
  高崎市医師会
  〇乾 正幸、大和田 進、乾 純和

 厚生労働省のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針では、胃がんの予防には一次予防(ピロリ菌除菌等)と二次予防(検診)が共に重要な役割を担うため、緊密な連携が確保された実施体制を整備することが求められている。高崎市ではその対策として2006年度から実施している胃がんリスク層別化検診(ABC検診)に加え、2017年度から対策型胃内視鏡検診を導入した。その精度管理の一環として以下の取り組みを実施している。
1)胃内視鏡検診とABC検診を同時に行い、総合的にピロリ菌感染状態を診断するハイブリッド型胃がん検診の実施
2)陰性高値の設定が不要で診断精度が高く測定操作が簡便なラテックス法キット「LタイプワコーH. ピロリ抗体・J」を用いたABC検診の実施
3)内視鏡画像を二次読影医療機関に搬送し専門医が一人で行う二次読影の実施
4)二次読影医による胃内視鏡検診の画像評価(A~E)の実施
 上記取り組みの現状および課題について検診実績も踏まえ報告する。

千葉県における胃内視鏡検診の現状とこれから
  ちば県民保健予防財団 総合健診センター 消化器内科
  〇山口 和也、中川 由紀、稲田 麻里

 千葉県の一部の地域において個別胃X線検診の代替えとして内視鏡検診が行われていた。「対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル2015年度版」が発行され、ダブルチェックが必須となるなど、マニュアルに準拠した内視鏡検診は、2018年より千葉市、船橋市、四街道市、大網白里市、2019年より市川市、柏市、松戸市、市原市、浦安市で開始された。ダブルチェック体制の構築が最大の課題であった。いくつかの課題を解決し現在にいたる。現在内視鏡検診を導入できていない地域は、検査医数が少なく、診療と検診業務の医療資源の割り振りが課題であり。今後広域化をはかり、市町村の境界を越えて県単位で検査医の偏在に対しての対策を、現在各地区で検討中であり、内視鏡検診が今後も広がることが予想される。

太田市胃がん内視鏡検診のこれから
  太田市医師会
  〇江原 浩司、関口 利和、中野 正美、李 雅弘

 太田市では1999年から直接X線か内視鏡を選択する胃個別検診を開始した。検診施設は手上げ方式で、精度管理として当初から全例の2次読影を行い、2010年から過去画像との比較ができる画像ファイリングソフトを導入し、定期的に症例検討会や講演会を実施している。受診率向上のためにピロリ検診の導入や行政の協力で検診自己負担をワンコイン検診として500円に減額し、受診者数の増加に対し検診施設数は増加しないため、7ヶ月だった検診期間を2018年からは3週間延長した。今後の受診者の対象集約を考え2015年から読影の際にピロリ感染胃炎の評価も行うようにした。40代の胃がん症例やピロリ未感染胃がん症例、逐年受診での進行がん症例などもあり、ガイドラインで示された50歳以上2年に1回の検診間隔に合わせてくことには慎重になっている。今後も医師会、検診機関、行政と協力の上より良い検診が行えるように努力していくことが必要である。

胃がん内視鏡検診の現状と今後の課題
  前橋市医師会
  〇山下 由起子、萩原 廣明、田中 義

 前橋市胃がん検診は昭和49年より集団検診方式で開始され、受診率向上を目指し昭和59年に個別検診方式となり、前橋市医師会へ委託されたという経緯がある。平成16年、胃がん検診への内視鏡導入のためのパイロットスタディ施行し翌年から選択制内視鏡併用胃がん検診は始めた。一次検診医は前橋市医師会員の手上げ方式とする。標準画像を呈示し検診画像の統一化を図り、ダブルチェック徹底のため二次読影医は日本消化器内視鏡学会専門医以上の資格を持つものとしている。検診レベル向上のため、一次検診医は年3回の症例検討会、講演会への義務出席とする等、精度管理には特段の配慮をしてきた。開始より14年経過し、胃がん検診の85%を内視鏡検診が占めるようになってきた。がん発見率、早期癌比率などレントゲン検査より良好であり、一定の成果は出ていると考えるが、受診率向上、精度管理のさらなる向上のための工夫、行政との良好な連携の構築など課題も山積している。今までの実績を踏まえ、現状を報告し今後の課題について検討をしたい。


- パネルディスカッション2(放射線研修委員会) -

「読影の補助を生かすための透視観察・追加撮影の技術とは」
司会: 川上 哲弘(神奈川県予防医学協会)
  阿久澤 雅敏(群馬県健康づくり財団)
演者: 1.小笠原 洋介(埼玉県健康づくり事業団)
  2.松本 隆之介(新潟厚生連小千谷総合病院)
  3.大森 正司 (さいたま赤十字病院)
  4.高柳 篤文 (群馬県健康づくり財団)

- パネルディスカッション3(超音波研修委員会) -

「超音波スクリーニング法2019 これでいいのか超音波スクリーニング-記録断面と操作法を見直す3-」
司会: 若杉 聡(千葉西総合病院)
  岩田 好隆(東京女子医科大学 東医療センター)

 腹部超音波検診判定マニュアルで例示されている16記録断面はスクリーニングの理想とされる記録断面であるが、時代の経過とともに記録断面数、記録部位などを見直す必要が生じてきた。第76回、第77回の本会企画では、現場の技師から検診の現実を踏まえたさまざまな意見をいただいた。一日にやらなければならない検査数、受診者1人にかける検査時間から16断面すら無理という意見や見落としを少なくするために25断面が必要という意見があった。今回は、各臓器で残すべき理想とする断面はどうあるべきかを、記録枚数にこだわらず発表していただきたい。現実に可能であるかは別にして、「この部位とこの部位を加えれば見落としのない理想な検査ができる。」という撮像部位を制限なく加えて論じたい。その画像を加える利点をデータないし症例提示とともに論じていただきたい。臓器ごとに絞っての発表でも良い。全体を通しての発表でも構わない。奮って応募を期待する。さらに施設でのカテゴリー判定の内訳も発表くだされた幸いである。

腎、その他臓器のスクリーニング検査画像を考える
  千葉西総合病院消化器内科
  若杉 聡

 腹部超音波スクリーニング検査の主体は肝、胆道、膵であるが、腎、その他臓器でも一定の確率で疾患が見つかるため、注意深く観察すべきである。腹部超音波検診判定マニュアルの改訂に当たり、加えるべき画像を考える。
 スクリーニング超音波検査で、大動脈の撮像は欠かせない。当院では大動脈は最初に観察するようにしている。肝、胆道、膵、脾、腎をひととおり観察した後であると、大動脈の観察を忘れてしまうことがあるためである。大動脈の観察は横隔膜レベルから左右腸骨動脈分岐部までを長軸、短軸の両方で観察する。写真撮像は長軸断面のみである。
 両側腎も同様に長軸、短軸の両方で観察して、長軸断面の画像を残す。特に観察の際は腎門部病変を見落とすことがあるので注意が必要である。膀胱は現時点では写真撮像していないが、観察だけはするように心がけている。

当院における肝臓超音波スクリーニングの現状
  日本大学医学部附属板橋病院検査部
  〇韮澤 澄恵
  日本大学医学部消化器肝臓内科
  松本 直樹、小川 眞広

 当院では腹部超音波スクリーニングは、日本超音波医学会教育委員会で採用されている25枚の基準断面で行っており、そのうち11枚が肝臓を対象としている。腹部超音波検診判定マニュアルに提示されている16断面と比較して、下大静脈面の縦走査と、右葉肋弓下走査3断面が多くなっており、またそれぞれ具体的な撮影区域を決めているのが特徴である。肝臓は腹腔内最大の実質臓器で死角も多いため、撮像断面は曖昧な基準ではなく、解剖学的位置を具体的に指定した方が漏れが少ないと考えている。初心者では、装置内蔵の撮影アシスト機能を使用することで学習効率、検査効率が飛躍的に向上している。本発表では当院での撮影法と工夫について紹介する。

膵超音波検査の理想とする走査方法について
  医療法人社団 せいおう会 鶯谷健診センター
  〇片山 和弥、村松 和美
  日本大学医学部 消化器肝臓内科
  松本 直樹、小川 眞広

【目的】
 理想的な腹部超音波検査の走査方法については、25枚法撮影を推奨しているが、その内の膵臓の断面において、高周波プローブを併用した例と膵尾部の体位変換の効果について報告をする。
【方法】
 高周波プローブを併用に関して、対象者は人間ドック対象900名、膵臓のスクリーニング時に3,5MHZと7.5MHZプローブを併用し、その描出率を調査した。高周波プローブを使用しての描出の可否については、超音波専門医が膵実質のスペックルパターンや脈管の描出を見て判断した。膵尾部の描出に関して、対象者は人間ドック対象100名、仰臥位→右側臥位と仰臥位→左回りで腹臥位→仰臥位を2回反復した後、右側臥位との2つの体位で超音波検査を実施し、その描出率を比較した。
【結果】
 描出率は93%であった。また体位変換を多用した膵尾部の描出は、しなかった時よりも描出率が有意に上昇した。

胆道の記録断面を見直す
  飯田市立病院 放射線技術科
  〇岩下 和広、林 克義、中島 礼雅
  飯田市立病院 消化器科
  岡庭 信司

【目的】
 当院の人間ドック受診者を対象に①胆嚢、肝外胆管の描出不能と不良の頻度②部位別描出率と描出不良の原因につき検討した。
【結果】
 ①胆嚢の描出不能は摘出後の0.8%、描出不良は13.1%であった。肝外胆管の描出不能は7.4%、描出不良は45.9%であった。②胆嚢の部位別描出率は頸部92.6%、体部99.2%、底部89.3%、描出不良となった原因は消化管ガス(以下ガス)56.5%、アーチファクトが26.1%でありガスが最も多かった。肝外胆管の部位別描出率は肝門部領域胆管80.3%、膵内胆管48.4%であり描出不良の原因はガスが77.0%であった。
【考察】
 胆嚢底部と膵内胆管の描出率を上げるためには、左側臥位や半坐位といった体位変換に加え、少なくとも2方向以上の記の録断面(長軸・短軸像)を設定することが有用と考えられる。


- 一般演題(放射線関連)(公募) -

座長: 堤 武志(長野県健康づくり事業団)
  佐藤 猛(群馬県健康づくり財団)

胃X線検査受診当日キャンセルの理由分析からみえる課題と対策
  社会医療法人中山会 宇都宮記念病院総合健診センター
  〇野澤 祐子、千葉 暢子、海野 均

【目的・方法】
 当センターでは、胃X線検診安全基準に基づき年間約26700名の胃X線検査(以下MDL)を実施している。健診当日に様々な理由でMDLがキャンセルになるケースがあるため、ヒアリング式アンケート調査でキャンセル理由の分析と課題を検討した。
【結果】
 MDL受診予定者は608名であり、当日キャンセルになった方は71名(15.1%)であった。その主な理由は、「受けたくない」が26名(36.6%)、他施設で経過観察中が14名(19.7%)、指定時間以降の飲食が11名(15.5%)であった。
【結語】
 キャンセル理由の中で多かったのは「受けたくない」と指定時間以降の飲食であった。受診者個人だけではなく、健康保険組合・企業の担当者等の方と連携が必要と考える。

胃部X線検査受診後の問い合わせ内容の分析
  社会医療法人中山会 宇都宮記念病院総合健診センター
  〇大木 英彰、千葉 暢子、海野 均

【目的】
 当施設で胃部X線検査(以下、MDL)実施後に受診者から問い合わせがあるため、その内容を集計・分析し、今後の説明や対応に活かす。
【方法】
 2018年度当施設内にてMDL受診者を対象とし、受診後の問い合わせの件数と内容を集計し分析した。
【結果】
 MDL受診者数は26700名、問い合わせがあった方は62名(0.2%)、男女の内訳は13:49であった。その内容は「検査後排便なし」が22件中、うち女性は63.6%、普段から便秘傾向の方が31.8%。「下痢」15件、「不安」13件であり、「不安」の主な内容は「便が出たが本当に大丈夫か」であった。問い合わせたが、電話対応のみで終了したケースは52件だった。
【結語】
 検査後の便の観察は重要と理解されている。しかし異常の有無の判断が困難な方からの問い合わせが多い為、受診者が相談できる窓口がある事が重要である。

撮影技師と医師のカテゴリー判定の比較検討と課題
  東京都保健医療公社 東京都がん検診センター 放射線科
  中村 清華

【目的】
 当センターの胃がん検診は住民検診を中心に実施しており、「胃X線検診のための読影判定区分」に従い、撮影技師の一次チェック後に医師が読影を行なっている。今回、撮影技師と医師のカテゴリー判定を比較し、技師の一次チェックの感度について検討した。
【対象と方法】
 <対象1>2012年4月~2015年3月までに胃がん検診を契機に発見された胃癌症例51例。<対象2>2015年4月~2017年3月までに胃がん検診を契機に発見された胃癌症例57例。<方法>対象1と対象2について、医師のカテゴリー判定を基準とし、医師のカテゴリー判定と技師の一次チェックを比較検討した。
【成績】
 対象1と対象2について、医師がC-3以上の要精密検査とした症例について技師の一次チェック結果を示す。<結果1>C-1or2・4例8%、C-3a・4例8%、C-3b・16例31%、C-4・12例24%、C-5・15例29% 、3a以上(感度)・92%<結果2>C-1or2・15例26%、C-3a・6例11%、C-3b・21例41%、C-4・10例18%、C-5・5例9% 、3a以上(感度)・74%。
【結論】
 医師のカテゴリー判定を基準とした場合、対象1と対象2の技師一次チェックの感度を比較すると対象2の感度が低かった。これは、対象2の調査開始期間である2015年度は職員の異動が多く胃がんX線検査未経験者が約半数を占めていたため、一次チェック感度が低下したと考えられる。当施設では、「胃X線検診のための読影判定区分」策定以前から、独自の医師・技師共通のカテゴリー分類を策定し、定期的な振り返りや医師との症例検討会を開催するなど知識向上のために教育体制を整えており、対象2は胃がんX線検査についての教育期間が短い技師が多かった。今回の検討では、撮影技師の経験年数が感度に大きく寄与していることが考えられ、今後の課題として、経験不足の技師が当施設の教育カリキュラムを習得していくことにより、感度がどのように変化していくかを検討していく。

上部消化管X線検査における日常の課題と工夫
  こうかん会 日本鋼管病院 放射線技術科
  〇瀬川 利昭、沖廣 賢吾、黒澤 靖之、村山 好民

【目的】
 当施設の胃X線検査は、基準撮影法に準じた撮影をしている。
 日頃から疑問に思っていることの解決を課題とし、技師間で情報提供し細かな工夫をしている。この工夫を新人教育等に活用し、成果の認められた当施設の工夫を紹介する。
【対象】
 当施設の検診者ならびに患者
【方法】
 発泡剤を飲ませるタイミング
 食道撮影
 曝状胃や横胃の時に管球の角度
 前壁撮影
 バリウムを飲んだ直後から流れる胃の撮影
 バリウムが溜まった時の対処
 圧迫撮影
 発泡剤の追加のタイミング
【結果】
 新人や検査に不慣れなスタッフの理解が深まり、読影可能範囲・情報量が増加し、検診の質の向上に寄与できる。

当院における前壁用圧迫フトンの効果の検証
  伊勢崎佐波医師会病院 放射線科
  〇柳澤 真央、本山 徹
  伊勢崎佐波医師会病院
  澁澤 公行

【はじめに】
 当院でも2013年より胃部健診を基準撮影法に準じた撮影にしてきた。しかしながら、当院では前壁撮影時に圧迫用フトンの使用が、単位時間当たり15人程撮影するためなかなか進まないのが現状です。今回、実際に前壁用圧迫フトンを使用し効果を再認識する。
【方法】
 2019年1月から2019年6月までの6ヶ月間で前壁用迫フトンを使用して撮影した被験者と過去の前壁画像を比較して描出率を評価した。描出率0~20%を1点、21~40%を2点、41~60%を3点、61~80%を4点、81~100%を5点として評価した。
【結果】
 過去の画像の描出率は平均2.8点、圧迫フトンを使用しての描出率は4.2点と描出率の上昇を示した。
【考察】
 過去の画像では描出率を上げるために強めの第二斜位をとることが多く、胃形によっては大弯撮影になってしまうことも多く、描出率が低くなってしまった。前壁用圧迫フトンを使用することで描出率の大幅な改善がみられ、前壁正面を意識した撮影ができた。より良い前壁撮影をするためには、フトンを入れる位置だけでなく胃内空気量や挿入前の寝台角度などの因子も関与するため施設内での検討が重要であると考える。


- 一般演題(超音波関連)(公募) -

座長: 鳥海 修(関東中央病院)

超音波検診で経験した非B非C型肝細胞癌の1例
  東都文京病院放射線科
  〇阿部 弘之、秋山 なぎさ、岡村 薫、安倍 光司、藤森 夕貴、米本 紗陽子、前田 英明、平戸 祐歩
  東都文京病院検査科
  牧口 千尋、古澤 佳保理、谷村 美江子、松原 広美、松本 雅子、米倉 真紀
  東都文京病院内科
  矢嶋 由紀、山下 和子
  日本大学病院内科
  小川 眞広

【はじめに】
 肝細胞癌は、わが国の癌による死亡原因の第5位でありを占めており、その約8割がC型肝炎ウイルスの持続感染を背景に有している。しかし近年、日本においては肝炎ウイルス(特にC型肝炎)に起因する肝細胞癌が減少傾向であり,非B非C型肝細胞癌が増加している。
【症例】
 80代男性、人間ドック目的の為、来院した。機会飲酒であり、既往歴は特にない。
【超音波検査】
 S8付近に類円形で約30mm大の低エコー領域を認めた。内部には一部充実性部分を認め不均一、輪郭は整、境界は明瞭であり、辺縁低エコー帯は認めず、カラードプラでは血流シグナルの亢進は観察されなかった。
【MRI検査】
 T1強調画像では腫瘍の辺縁に線維性被膜を示唆する所見が観察されたことから肝細胞癌が強く疑われ、他院にて肝細胞癌と診断された。
【結語】
 今回 我々は,人間ドックにて発見された非B非C型肝細胞癌を経験したので文献的考察を加え報告する。


- 放射線研修委員会・内視鏡研修委員会合同研修会 -

アンサーパットを用いた胃症例検討会
司会: 小田 丈二(東京都がん検診センター)
  茂木 文孝(群馬県健康づくり財団)

- ザ・ベストイメージングコンテスト(超音波研修委員会) -

「ザ・ベスト・イメージング・コンテスト」の症例を募集しております。詳細はこちらをご覧ください。

司会: 山本 美穂(早期胃癌検診協会附属茅場町クリニック)
  中村 稔(横浜ソーワクリニック・横浜総合健診センター)

- スポンサードセミナー -

1「内視鏡検診の実際と、ハイビジョン経鼻内視鏡の使用経験」
講師: 徳竹 康二郎(長野赤十字病院 消化器内科)
2「消化器がん内視鏡治療の現状と最近のトピックス」
講師: 浦岡 俊夫(群馬大学大学院医学研究科内科学講座 消化器肝臓内科)

司会: 入口 陽介(東京都がん検診センター)



  • 教育講演1、教育講演2、教育講演3、シンポジウム、パネルディスカッション1、合同胃症例検討会は、支部医師研修会を兼ねます。
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